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2026.02.04
グループ藤沢院
予防医療

ワンちゃんの混合ワクチンについて

#予防の解説

ワンちゃんたちにとってワクチンは必要なものではあるものの、どの種類にすればよいのか、何が予防できるのか分からない、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

今回はワンちゃんの混合ワクチンについてお話していきます。

ワンちゃんのワクチンは大きく分けて、以下の2つがあります。

  1. 法律で義務付けられている狂犬病ワクチン
  2. 任意の混合ワクチン

狂犬病予防接種は法律で義務付けられているため、ワンちゃんを飼う場合は一年に1回、必ず接種が必要です。 

混合ワクチンには種類がいくつかあり、何種混合にすれば良いか、違いは何なのか、など、よくわからないことが多いですよね。そんな混合ワクチンについて、詳しく説明していきます。

犬の混合ワクチンは何種を選べばいい?
5種・6種・10種の違いと選び方

まずは種類と予防範囲についてみていきましょう。

5種混合ワクチン

  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウイルス
  • 犬アデノウイルス1型
  • 犬アデノウイルス2型
  • 犬パラインフルエンザ

6種混合ワクチン

  • 5種ワクチンに含まれているもの全て
    + 犬コロナウイルス

  7種混合ワクチン

  • 5種ワクチンに含まれているものすべて
    +レプトスピラ(イクテロヘモジー)
    +レプトスピラ(カニコーラ)

8種混合ワクチン

  • 6種ワクチンに含まれているものすべて
    +レプトスピラ(イクテロヘモジー)
    レプトスピラ(カニコーラ)

10種混合ワクチン

  • 6種ワクチンに含まれているものすべて
    +レプトスピラ(イクテロヘモジー)
    +レプトスピラ(カニコーラ)
    +レプトスピラ(グリッポチフォーサ)
    +レプトスピラ(ポモナ)

4種混合ワクチン(レプトスピラを追加接種するときに使用)

  • レプトスピラ(イクテロヘモジー)
  • レプトスピラ(カニコーラ)
  • レプトスピラ(グリッポチフォーサ)
  • レプトスピラ(ポモナ)

※当院では6種、10種、4種を取り扱っています。

次にそれぞれの感染症について詳しくみていきましょう。

ワクチンの種類について

まず、ワクチンをざっくりわけると、コアワクチンとノンコアワクチンがあります。

コアワクチンとは

全世界共通で、生活環境にかかわらず、全てのワンちゃんで接種が必要なワクチンです。世界中で発生が認められており、命に関わる症状を示すもので、下記の病原体が含まれます。

  • 犬ジステンパーウイルス(CDV)
  • 犬パルボウイルス2型(CPV)
  • 犬アデノウイルス1型(CAV-1)
  • 犬アデノウイルス2型(CAV-2)

ノンコアワクチンとは

生活環境に応じて接種を検討するワクチンです。下記の病原体が含まれます。

  • 犬パラインフルエンザウイルス
  • 犬レプトスピラ

【獣医師が解説】混合ワクチンで予防できる7つの感染症とリスク

ここからはそれぞれの病原体が引き起こす病気についてひとつずつ説明していきます。

犬ジステンパーウイルス感染症

発熱、鼻水、くしゃみ、結膜炎といった風邪様症状、下痢、嘔吐などの消化器症状が起こり、重症化すると脳までウイルスが達し痙攣などの神経症状を起こす、伝染力が強く、致死率の高い病気です。

罹患動物の鼻水、唾液、目やに、排泄物などのへの接触、咳やくしゃみなどからの飛沫から感染します。

犬パルボウイルス感染症

激しい下痢(トマトジュースのような血便)、嘔吐、発熱などを引き起こします。

進行が早く、重篤な脱水や食欲不振、幼齢の場合で心臓にウイルスが感染すると心筋炎を起こし、突然死の可能性もある致死率の高い危険な病気です。

犬アデノウイルス1型(犬伝染性肝炎)

初期症状は発熱、鼻水、くしゃみなどの風邪様症状や、嘔吐、下痢といった消化器症状がみとめられます。続いて肝臓に炎症を起こすことで、黄疸など肝機能不全の症状がみられます。生後1年未満の子犬が感染すると、症状を示すことなく突然死することもある危険な病気です。

回復期に角膜浮腫によるブルーアイ(青白い眼の濁り)が見られることがあります。

犬アデノウイルス2型(犬伝染性喉頭気管炎)

ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の病原体の一つとされています。

発熱、咳、鼻水などが見られ、単独感染での死亡率は低いとされていますが、他のウイルスや細菌などと混合感染すると肺炎などを起こし、重症化する可能性があります。

犬パラインフルエンザウイルス感染症

ケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の病原体の一つとされています。

咳、鼻水、発熱、食欲低下などの風邪様の症状がみられ、単独感染では症状は軽いとされていますが、他のウイルスや細菌などと混合感染すると重症化する可能性があります。

犬コロナウイルス感染症

嘔吐、下痢といった消化器症状から始まり、重度の場合は脱水が起こる可能性もあります。

成犬では軽い胃腸炎で済むことが多いですが、子犬では重症化しやすいため注意が必要です。

犬レプトスピラ感染症

レプトスピラ症はレプトスピラという細菌が引き起こす感染症で、世界中で発生が確認されている、人獣共通感染症です。

野生のネズミやリスなどのげっ歯類が主な保菌動物として挙げられ、それらの排泄物や排泄物に汚染された水や土を介して感染する可能性があります。

犬を含むほとんどの哺乳類に感染し、主な症状は発熱、嘔吐、黄疸、粘膜の充血、出血がみられます。重症化すると肝臓や腎臓に症状があらわれ、最悪の場合死に至る危険な感染症です。

レプトスピラは種類も多く、色々な型が確認されていますが、ワンちゃんのワクチンには発生の多い、カニコーラ型、イクテロヘモラジー型、グリッポチフォーサ型、ポモナ型が含まれています。

近年は日本全土で散見されることから、レプトスピラ症ワクチンの接種は強く推奨されており、特に山や川など自然が豊かな場所にお出かけされる、お散歩でげっ歯類に遭遇するといった場合はレプトスピラ症が含まれるワクチンが推奨されます。

最後に

当院では6種、10種、4種を取り扱っています。

どの種類を接種するのかは、お出かけ状況、ワンちゃんがたくさんいる所に遊びに行ったり、ペットホテルを利用する、などライフスタイルによって異なります。

どのワクチンにするかお悩みの際はお気軽にご相談ください。