病気のコラム
2026.04.20
グループ八潮院
皮膚科
【獣医師監修】犬の外耳炎|八潮市の動物病院が教える最新の考え方とケア
#病気の解説

これからの季節、わんちゃん(時に猫ちゃん)の「耳の中が赤い」「痒がる」「臭いが気になる」といったトラブルが増えてきます。これらは「外耳炎」のサインかもしれません。
当院では、東京動物皮膚科センター主催の「皮膚科の処方ノート勉強会マスターコース」を修了した獣医師が、最新のエビデンスに基づいた皮膚・耳科診療を行っています。今回は、ご家庭でも知っておいていただきたい外耳炎の基礎知識について解説します。
外耳炎とは?
動物の耳の構造は、入り口から鼓膜までが「L字型」に折れ曲がっています。この鼓膜までの通り道(外耳道)に炎症が起きるのが外耳炎です。構造上、奥に汚れが溜まりやすく、一度炎症が起きると悪化しやすいのが特徴です。
専門的な視点:PSPP分類によるアプローチ
現在外耳炎は「主因」「副因」「素因的要因」「永続的要因」の4つが関わっていると考えられています。
- 主因(Primary): 外耳炎を直接引き起こすもの(アレルギー、異物、寄生虫、内分泌疾患など)
- 副因(Secondary): 荒れた耳道で増殖するもの(細菌、マラセチア感染など)
- 素因(Predisposing): なりやすさを決める条件(垂れ耳、高温多湿な環境、中耳炎など)
- 永続因子(Perpetuating): 治りを遅くし、重症化させる変化(耳道の腫れ、鼓膜の異常など)
診断と治療
原因に応じて、様々な治療を行います。
- 【検査】 耳の中を耳鏡で覗いたり、耳垢に菌などいないか顕微鏡で確認します。
- 【治療】:耳の洗浄(洗浄液で耳垢や汚れを除去)、点耳薬(抗菌薬・抗真菌薬・抗炎症薬など)、内服薬(炎症が強い場合や全身的な治療が必要な場合)
おわりに
外耳炎は非常に身近な病気ですが、放置すると中耳炎へ進行したり、手術が必要になるケースもあります。特に梅雨時期や水遊びの増えるこれからの季節は、耳のトラブルが急増します。
「耳をかゆそうにしている」「耳を振る回数が増えた」と感じたら、皮膚科診療の専門トレーニングを積んだ獣医師がいる当院へお早めにご相談ください。
- クロス動物医療センターグループ 獣医師 大橋 嵩志