病気のコラム
【獣医師監修】皮膚と腸活の関係性・重要性について〜腸活はアレルギー治療に有用です!〜

皆様、初めまして。東京動物アレルギーセンター木場分院(クロス動物医療センター木場)でございます。
突然ですが、愛犬・愛猫の皮膚病にお悩みの患者様はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
これまで様々な動物病院で、プレドニゾロン(ステロイド剤)やアポキル(免疫抑制剤)、抗生剤などによる長期的な治療を行っても、なかなか良くならないという経験はありませんか?また、長期的にステロイド剤を使うと副作用が出たり、抗生剤を使うことで耐性菌ができてしまい、体に負担がかかることがあります。これが現在、日本の大部分で行われている獣医療における皮膚治療の実状です。
しかし、私たちは東京動物アレルギーセンター院長川野先生の元で学び、これらの薬に頼り続けない「脱医薬」を目的とした治療を行っています。この治療で救われる患者様がいると信じて、日々診療にあたっています。
痒みとは
痒みは、皮膚のバリアが崩れることから始まります。バリアが崩れる原因としては、皮膚の乾燥、物理的な引っ掻き、細菌感染などが挙げられます。その後、花粉やダニなどのアレルギー原因物質が皮膚の中に入り込み、Th2細胞が免疫応答を起こします。これにより、痒みの原因物質であるIL-31が脳に刺激を与え、皮膚に炎症が出て痒みを発症します。
既存の治療法とは
ステロイドは皮膚表面の炎症のみを抑え、アポキルはIL-31を抑制することで痒みを起こさないようにします。
脱医薬とは
私たちは、炎症やIL-31の発現よりもさらに上流にあるTh2細胞の免疫応答を抑えることで、痒みの悪循環を断ち切りたいと考えています。Th2細胞を抑えるためには、制御性T細胞という細胞が必要です。そして、なんと腸内細菌を整えることにより、この制御性T細胞の成長が促されることが分かっています。つまり、腸活によって痒みの原因を抑えることができるのです。
皮膚と腸の関係とは
ここまで説明したように、腸活により皮膚の痒みを抑えることが分かっています。また、健康的な犬では皮膚細菌叢も腸内細菌叢も正常ですが、アトピー性皮膚炎を患っている犬では、皮膚細菌叢に痒みに発展するような悪い細菌が多く、腸内細菌叢も乱れていることが多いと報告されています。皮膚と腸の関係は密接であり、本来重要視しなければならないものなのです。
今回は皮膚病と腸の関係についてお話ししました。まだまだ腸活の魅力は盛りだくさんです。次回は腸活の要である腸内細菌叢について説明します!
監修
川野浩志(獣医学博士、日本獣医皮膚科学会認定医)
- 東京動物アレルギーセンター センター長
- 藤田医科大学 消化器内科学講座 客員講師