病気のコラム
2025.09.26
グループ
皮膚科
【獣医師監修】犬・猫の皮膚トラブルと膿皮症 ~抗菌剤に頼らない新しいケア~
#病気の解説

膿皮症ってどんな病気?
ワンちゃん・猫ちゃんにとてもよく見られる皮膚の細菌感染症が「膿皮症(のうひしょう)」です。
主な原因はブドウ球菌という細菌です。もともと皮膚に住んでいる常在菌ですが、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどで皮膚のバランスが崩れると、一気に増えて赤み、ブツブツ、かゆみなどの症状を起こします。
さらにブドウ球菌は「バイオフィルム」というネバネバの膜を作って身を守るため、抗生物質や免疫細胞が効きにくくなってしまうのが厄介なところです。
新しい発見!エリスリトールの効果
藤田医科大学と東京農工大学の研究により、犬の膿皮症に対して糖アルコール「エリスリトール」が有効であることが分かってきました。
エリスリトールは、細菌にとって「見た目はエサに似ているけど食べるとお腹を壊す糖」。細菌が何度も食べては吐き出すうちに弱っていき、さらにバイオフィルムも壊してくれる働きがあります。
抗菌剤に頼らないケアの工夫
従来は「薬用シャンプー」「抗菌薬の塗布」「抗菌薬の内服」で治療していましたが、耐性菌(何度も抗生剤を使用することで効果が無くなってくること)の問題もありました。今後はエリストールのような抗菌薬に頼らないケアが注目されています。
これまでにもコラムで取り上げさせてもらったケアの例として
- エリスリトール配合の外用(スプレーやシャンプー)→ バイオフィルムを壊し、菌のバランスを整える
- 入浴ケア(バスソルトなど)→ 皮膚のバリアを守り、清潔に保つ
があります。
他にもビタミンB群(皮膚のターンオーバー正常化)、水溶性ビタミンC誘導体(抗酸化作用)、抗炎症成分や保湿成分など人の医療でも実証された成分が組み合わされ、より安心して皮膚のケアを行えます。
飼い主様へ知ってほしいこと
- 膿皮症はよくあるけれど、繰り返すとつらい皮膚病
- 細菌が増えすぎる原因(アトピーやアレルギー)への対策も大切
- 「抗菌薬だけに頼らない」新しいケア方法が広がってきている
- 日々のスキンケアで予防・再発防止が期待できる
まとめ
膿皮症は「抗菌薬で抑えるだけ」ではなく、皮膚の環境を整えるケアが重要になってきています。
当院でも、エリスリトールなどを活用したスキンケアのご相談を承っています。気になる皮膚トラブル・皮膚病がありましたら、お気軽にご相談ください。
監修
川野浩志(獣医学博士、日本獣医皮膚科学会認定医)
- 藤田医科大学 消化器内科学講座 客員講師
- 東京動物アレルギーセンター センター長