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cat disease

はじめに

猫のウイルス性感染症の1つである猫伝染性腹膜炎は治療が難しい病気の1つとして知られています。FIPウイルスに感染することにより発症しますが、FIPウイルスが発生する機序についてはいまだに解明されていない点が多く、謎の多い病気です。これまでの研究では免疫が関与した病気であるということは判明しています。しかし、FIPは決して直すことのできない病気ではございません。FIPの治療についてお悩みの方がいらっしゃったらまずはご相談下さい。

症状

伝染性腹膜炎には「滲出型」と「非滲出型」の2種類の症状に分かれます。この2つの症状が同時に見られることもあります。症状が進行している場合においては血小板の減少を引き起こすDIC(播種性血管内凝固症候群)を引き起こしているケースも少なくありません。

非滲出型

「非滲出型」には発熱や元気・食欲の低下、体重減少などが見られます。また、肝臓や腎臓の腫大、黄疸などFIP特有の症状というもの多くありません。さらに中枢神経系まで侵害されると後駆麻痺や発作などの神経症状も見られます。

滲出型

「滲出型」では、「非滲出型」の症状に加え、胸水や腹水の貯留が見られます。腹水が貯留することで腹膜炎となり、強い腹痛が起こります。また、胸水の貯留によって呼吸器が圧迫され、呼吸困難が見られることもあります。

診断

FIPの診断を症状だけで鑑別することは難しく、外部検査機関にて検体を提出することにより確定診断を下します。血液検査では肝酵素値やBUN、CRE値の上昇など、滲出型のFIPである場合は、X線検査や超音波検査にて腹水や胸水を確認することができます。滲出液を採取し、検査を行うと好中球やマクロファージなどの炎症細胞が多く見られます。

治療

滲出型FIPであった場合は非常に予後が悪く、数日から数ヶ月でなくなるケースがほとんどとなります。非滲出型である場合は臓器障害の程度によって予後が異なってきます。これまでFIPの治療において免疫抑制剤やステロイド、抗ウイルス薬などが試されてきましたが、完全に治癒させる有効な治療法は出てきておりません。しかし、近年ではカリフォルニア大学デービス校の獣医研究チームの発表した論文によると、FIPウイルスに対して非常に有望な抗ウイルス薬があると発表されています。このウイルス薬に類似の作用(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害)を持った薬がMUTIAN Xという製品名で中国で流通しています。この薬剤は日本では未承認薬の為、使用に際しては慎重に取り扱わなければなりません。

猫のFIPについてお悩みの方がいらっしゃればまずはこちらからご相談下さい。