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2026.06.11
藤沢院
歯科

第2回:【対策・治療編】猶予はたった3日!?愛犬を守る正しいデンタルケアと本格治療

#病気の解説

前回の記事では、犬がいかに歯周病になりやすいか、そして放置すると顔の破裂や命に関わる全身疾患に繋がるリスクをお伝えしました。 大切な愛犬を歯周病から守るために、私たちができることは何でしょうか?今回は、日々の正しいデンタルケアの選び方と、お口の環境をリセットする治療について解説します。

病気にならないためのデンタルケア

歯周病を予防するうえで最も重要なのは、日々のケアです。 食べかすを元に形成された歯垢は、約3日で歯石へと変化すると言われています。つまり、3日以上ケアを怠ると歯石形成が始まってしまうということです。

歯垢の段階であれば歯磨きで容易に除去できますが、一度「歯石」になってしまうと家庭での除去は困難になります。そのため、「歯石になる前に落とす」日々の習慣化が不可欠です。

デンタルケアの方法と特徴

我が子の性格に合わせて、無理なく続けられる方法を選んであげましょう。

  • 歯ブラシ
     メリット: 細かい隙間や歯周ポケットまで清掃可能
     デメリット: 異物感が強く、嫌がることが多い

  • 歯磨きシート
     メリット: 歯ブラシに比べ導入しやすい
     デメリット: 細かい部位や奥歯の清掃が不十分になりやすい

  • デンタルケア用トイ
     メリット: 遊びの延長で実施できる
     デメリット: 物理的な清掃効果は限定的

  • デンタルガム
     メリット: 嗜好性が高く継続しやすい
     デメリット: 清掃効果は限定的で、カロリー管理が必要

  • 歯磨きジェル・ペースト
    嗜好性が高く、歯磨きへの抵抗感を軽減します。医療用製品では、歯石形成に関わる酵素の働きを抑制したり、歯周病菌の増殖を抑える作用を持つものもあります。

  • プロバイオティクス
    口腔内の善玉菌を補うことで、原因菌の増殖を抑えるアプローチです。

  • 免疫療法
    歯肉に塗布する薬剤によって局所免疫を高め、歯周病の進行を緩和します。

これらすべてを完璧に行う必要はありません。ワンちゃんの性格や生活スタイルに応じて「無理なく続けられる方法」を組み合わせて選ぶことが最も重要です。

すでに溜まった歯石は「麻酔下歯石除去」へ

もしすでに歯石が沈着している場合は、動物病院での「麻酔下での歯石除去(スケーリング)」が推奨されます。

「無麻酔で行うショップや病院もあるのでは?」と思われるかもしれませんが、歯周病治療で最も重要なのは、見えている部分ではなく「歯周ポケットの奥深くにある歯垢・歯石の除去」です。 この処置は痛みを伴い、非常に繊細な器具を使用するため、無麻酔では十分な処置ができません。また、動かないよう長時間拘束することはワンちゃんにとって大きなストレスや怪我のリスクになります。

病院では安全に麻酔をかけた上で、以下の処置を行い、お口の環境を綺麗にリセットします。

  1. スケーリング: 歯石・歯垢の徹底的な除去
  2. プロービング: 歯周ポケットの深さや健康状態の評価
  3. ポリッシング: 汚れが再付着しにくくするための、歯の表面の研磨

さいごに

ある研究論文では、毎年麻酔下で歯石除去を実施している犬は、実施していない犬と比較して長生きする傾向があるとされています。それほどまでに、口腔内の健康は全身の健康、そして寿命と密接に関わっています。

「少し口が臭うだけ」と軽視せず、日々のケアを積み重ねることが、大切な家族の健康を守る第一歩です。もし自宅でのケアが難しい場合や、すでに歯石・歯周病が疑われる場合には、手遅れになる前にぜひ一度当院までご相談ください。


お口の症状が気になったら、藤沢院またはお近くの当グループ院へご相談ください。
クロス動物医療センターでは、年中無休で歯科・口腔外科の診療に対応しています。「お口のニオイが気になる」「歯がぐらついている気がする」など、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

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