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2026.06.18
藤沢院
腫瘍科

私が考えるがん治療 ~ご家族と一緒に戦うために~

#病気の解説

はじめに

人も動物も、三大疾病の一つとして知られているのが「がん(悪性腫瘍)」です。 近年は研究が進み、さまざまな治療法が開発されたことで、苦痛を和らげながら生活の質を維持したり、以前より長く生きられたりするようになりました。 しかし、それでもなお、がんは多くの命を奪う病気です。 だからこそ、愛する家族が「がんです」と診断されたときの衝撃や悲しみは計り知れません。

がんと診断されたその日から

がんと告げられた後、ご家族は短い期間の中で多くの決断を迫られます。

  • 精密検査をどの種類まで行うのか
  • 手術や抗がん剤治療、放射線治療などを行うのか
  • あるいはそのようながんに抗う治療を行わないのか

どの選択にも大きな勇気が必要です。 そして診察を重ねるうちに、

「この検査は何のために行うのだろう?」
「検査の結果は何を意味しているのだろうか?」
「気が付けば話だけがどんどん進んでいる気がする」

そんな不安を抱えてしまう方も少なくありません。

―治療を選んでも、選ばなくても悩みは残る―

手術や抗がん剤治療を選択したご家族は、 「この子を苦しめてしまったのではないか」 と悩むことがあります。 一方で治療を選択しなかったご家族は、 「本当にあれで良かったのだろうか」 と悩むことがあります。

実際には、どちらの選択も間違いではありません。 それは愛する家族のために悩み、考え、願いながら出した大切な結論だからです。 それでも、がんという病気の性質上、どれほど考え抜いて選択したとしても、最期の時を迎えた後に後悔がまったく残らないということは少ないものです。

もっと何かできたのではないか。 あの選択で本当に良かったのだろうか。

そうした思いを抱くのは、ご家族がその子を心から大切に思っていたからこそなのだと思います。

私が目指していること

私ががん診療で大切にしているのは、 「後悔をなくすこと」ではなく、「後悔を少しでも減らすこと」 です。 そのためには、ご家族が病気を正しく理解し、納得したうえで治療方針を選択できることが重要だと考えています。

私たちはできる限りわかりやすく、

  • がんはどこから発生しているのか
  • 現在どのような状態なのか
  • 今後どのような経過が予想されるのか
  • なぜ治療を行うのか
  • 治療によって何が期待できるのか
  • 治療による負担はどの程度あるのか

を説明するよう努めています。

がん治療にはさまざまな目的がある

「がん治療」というと、手術や抗がん剤治療を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし、がん治療には大きく分けて

  • 根治を目指す治療
  • 緩和的な治療
  • 対症療法

という3つの考え方があります。 それぞれの治療には目的や役割があり、どれが優れている、どれが正しいというものではありません。

この考え方については、下記のコラムで詳しくご説明していますので、ぜひご覧ください。

コラム:「犬・猫の『がん治療』を考える|『延命はかわいそう?』という不安を紐解く」

そして、この3つの治療のうちどれを選択するかは、病気の種類だけで決まるものではありません。 年齢や性格、現在の生活の様子、ご家族の考え方や価値観などによって、その子にとって最適な選択肢は変わります。 だからこそ私たちは、ご家族と十分に話し合いながら認識や目標を共有し、一緒に治療方針を決めていきたいと考えています。

がん治療は病院の中だけで行うものではない

私は、がん治療は手術や薬だけではないと考えています。

  • 食事は何を与えればよいのか
  • この症状は心配しなくてよいのか
  • 抗がん剤の副作用は大丈夫なのか
  • 今後どのような経過になるのか

こうした日常の悩みや不安を解消することも、大切ながん治療の一部です。 病気と向き合う中で生まれる不安や恐怖を、ご家族だけで抱え込む必要はありません。

他院で治療中の方、セカンドオピニオンも歓迎します

「今の治療方針で本当に良いのか確かめたい」 「別の選択肢があるなら聞いてみたい」 そうしたお気持ちで来られる方も、私たちは歓迎しています。 当センターではセカンドオピニオンに対応しており、現在かかりつけの病院で治療を受けている子でも、ご相談いただけます。 転院をすすめるためではなく、ご家族が納得して進むためのお手伝いです。どうぞ安心してお越しください。

ご家族とともに歩む診療を目指して

がんとの闘いは、動物だけでも、ご家族だけでも乗り越えることはできません。 私たちはご家族と同じ方向を向き、同じ情報を共有し、一つのチームとして治療に取り組みたいと考えています。 そして、その子らしく穏やかで幸せな時間を少しでも長く過ごせるようお手伝いしたいと思っています。

治療中のご相談はもちろん、 「まずは話だけ聞いてみたい」 という段階でも構いません。 がんについて不安なこと、気になっていることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

クロス動物医療センターグループ 獣医腫瘍科認定医II種 大山広朗

ご相談・ご予約について

がんに関するご相談、セカンドオピニオンのご希望は、お電話にてお気軽にお問い合わせください。 「まずは話だけ」という段階のご来院も歓迎しています。

住所:〒251-0021 神奈川県藤沢市鵠沼神明五丁目13番19号 湘南クリニックビル1階 (藤沢市・湘南エリア / 駐車場2台)

診療時間
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