病気のコラム
【八潮市】犬・猫の皮膚に「カビ」が生えたら?皮膚糸状菌症の症状・治療・人へのうつりやすさを獣医師が解説
「子犬・子猫を迎えたら、皮膚が円く脱毛してきた」「猫の毛が抜けてフケが目立つ」
——そんなときに疑われる病気のひとつが、皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)です。いわゆる「皮膚のカビ」「リングワーム」とも呼ばれ、人にもうつる人獣共通感染症として知られています。
このコラムでは、八潮市・草加市・三郷市・越谷市など近隣にお住まいの犬猫の飼い主さんに向けて、原因・症状・検査・治療・ご家族への感染予防までをまとめました。
皮膚糸状菌症とは(犬・猫の「皮膚のカビ」)
皮膚糸状菌は皮膚や被毛に感染する真菌(カビ)の一種で、子犬・子猫など免疫が未熟な動物ほど感染しやすいのが特徴です。原因となる主な菌は次の3つです。
- Microsporum canis(ミクロスポルム・カニス):猫のほとんど、犬の約70%で見られ、最も多い原因菌です
- Microsporum gypseum:犬の約20%
- Trichophyton mentagrophytes:犬の約10%のほか、ウサギなどのエキゾチックアニマルにも見られる
実際の臨床では、大多数が Microsporum canis(ミクロスポルム・カニス) によるものです。
こんな症状に注意(脱毛・フケ・かさぶた)
皮膚糸状菌症でよく見られるのは、次のようなサインです。
- 顔・耳・前足などに多い円形の脱毛(円形脱毛)
- フケやかさぶた、皮膚の赤み
- かゆみは強くないことも多い
特に新しく子犬・子猫を迎えた直後にこうした皮膚症状が出た場合は、皮膚糸状菌症の可能性があります。
検査方法(ウッド灯・顕微鏡・培養・PCR)
当院を含む動物病院では、症状に応じて次のような検査を組み合わせて診断します。
- ウッド灯検査:特殊な紫外線(365nm)を当て、感染した被毛が黄緑色に光るかを確認します
- 顕微鏡検査:被毛を顕微鏡で観察し、糸状菌(胞子・菌糸)の有無を確認します
- 真菌培養・PCR検査:より確実に菌の種類を特定したいときに行います
治療方法(抗真菌薬・シャンプー療法)
治療は、飲み薬(抗真菌薬)による全身療法と、薬用シャンプーによる外用療法を組み合わせるのが基本です。
- 抗真菌薬を約6週間、隔週で投与するパルス療法
- 全身の薬用シャンプー療法
感染した毛が生え変わるまで時間がかかるため、症状が落ち着いても自己判断で中断せず、検査で陰性を確認しながら治療を続けることが大切です。
再発・人へうつさないために(CCATSプラン)
皮膚糸状菌は、人や同居の犬・猫にもうつりやすい病気です。再発と感染拡大を防ぐため、国際的にも推奨されているCCATSプランに沿った対応が有効です。
- Confinement(隔離):感染している子のスペースを分ける
- Cleaning(清掃):抜け毛や胞子を残さないよう拭き取り・掃除を徹底する
- Assessment(評価):検査で治り具合を確認する
- Topical therapy(局所療法):薬用シャンプーや外用薬
- Systemic therapy(全身療法):抗真菌薬の内服
お部屋の拭き取り・消毒も、再発予防のうえでとても重要です。
ご家族の健康のために
皮膚糸状菌症は動物から人へうつることがあり、人に感染すると円形の赤い発疹が出るのが特徴です。お子様・ご高齢の方・免疫力が下がっている方は特に注意が必要です。
新しく子犬・子猫を迎えて皮膚に脱毛などの症状が出たときは、早めにご相談ください。早期発見・早期治療が、わんちゃん・ねこちゃんとご家族の健康を守る近道です。
執筆
本コラムは、東京動物皮膚科センター主催「皮膚科の処方ノート勉強会マスターコース」を修了した獣医師が執筆しています。皮膚科領域の継続的な学びをもとに、八潮市周辺の飼い主さんが安心して相談できる診療を心がけています。皮膚の気になる症状があれば、お気軽にお問い合わせください。
クロス動物医療センターグループ 獣医師 大橋 嵩志
皮膚の症状が気になったら、八潮院へご相談ください
クロス動物医療センター八潮(埼玉県八潮市大瀬1丁目6-9 コートアヴアニール)では、年中無休で皮膚の診療に対応しています。「円く毛が抜けてきた」「フケやかさぶたが気になる」など、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
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